相続・遺言
事務所所在地の一覧
関東にも複数の事務所があります。横浜にも事務所がありますので、周辺にお住まいで相続にお悩みの方もご相談ください。地図等はこちらからご覧いただけます。
相続について弁護士に相談した方がよいケース
1 遺産・相続人の範囲が不明であるケース
相続が発生して、遺産分割協議を進める場合、遺産と相続人の範囲を確定する必要があります。
遺産の範囲の確定のためには、財産調査をする必要があります。
具体的には、被相続人が生前に利用していたと思われる金融機関に対して、「残高証明書」や「取引履歴」の発行を申請することになります。
通帳やキャッシュカードがある場合には、それらを手がかかりとして、被相続人が利用していた金融機関を特定して調査をします。
通帳やキャッシュカードが見つからない場合には、被相続人が利用していた可能性のある金融機関に対して、被相続人名義の口座が存在するかというところから調査をすることになります。
不動産があると思われる場合には、固定資産税の納税通知書等から不動産の手がかりを探し、不動産を特定していきます。
また、納税通知書等の手がかりが見つからない場合には、市区町村に対して、所有者ごとの所有不動産の一覧である「名寄帳」を取り寄せて、不動産を調査します。
相続人の範囲の確定は、戸籍を取得して調査します。
具体的には、被相続人の最後の本籍地のある市区町村に対して、被相続人の戸籍を請求し、その戸籍から親族関係を辿っていくことになります。
遺産と相続人の範囲は、上記の方法で調査することができますが、これらの調査に慣れていない方が適切に対応することは簡単ではありません。
万が一、調査に漏れがあり、後から新しく遺産が見つかると、その遺産の分け方を再度話し合わなければいけなくなり、手間がかかりますし、その遺産がトラブルの要因になってしまうおそれがあります。
このようなリスクを回避するためにも、弁護士にご相談ください。
弁護士に相談すれば、このような相続人や遺産の調査を着実に進めることができるので、遺産・相続人の範囲が不明である場合には弁護士に相談するべきケースと言えるでしょう。
2 遺産の使い込みが判明したとき
被相続人の通帳の「残高証明書」や「取引履歴」に、不自然な現金の引き出しが発覚することがあります。
使い込みが立証できれば、使い込んだ相続人に対して、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得に基づく返還請求をすることができます。
もっとも、使い込みのケースの場合、「被相続人に頼まれて引き出した」、「被相続人から貰った」といった弁解が考えられるため、相手方の弁解を想定しながらこちらの主張をし、証拠を集める必要があります。
また、引き出されたお金の使途について、引き出した人が「被相続人から貰った」と弁解する場合には、特別受益が発生するのではないか、貰ったということは贈与契約が成立するのであり、遺留分侵害額請求ができるのではないかといった論点に発展することがあります。
こうした法的な議論の整理は専門的な知識が必要になります。
そのため、使い込みが発覚した時点で弁護士に相談することをお勧めします。
3 遺産分割方法について相続人間で対立が生じたケース
⑴ 遺産分割方法で対立が生じるケース
相続人間で遺産の分け方について揉めた場合、遺産の分け方にも専門的な知識が必要になりますので、相続人間の話し合いが長引く場合があります。
例えば、遺産の中に不動産がある場合、その不動産をどのように分けるのか、揉める場合があります。
誰かが取得して代償金を支払うのか(代償分割)、共同で売却してお金に換えてから分配するのか(換価分割)、といったことが問題になります。
代償分割では、不動産の評価、代償金の金額、相続人の資力等が問題になり、それぞれ協議が必要です。
換価分割の場合も、誰が不動産の売却を主導するのか、売却諸経費や税金関係は清算するのかといったことが問題なり得るため、やはり話し合いが必要です。
このような場合、専門的な知識が必要になり、それぞれの論点につちえ整理をすることが必要になります。
法律の専門家である弁護士が間に立って、論点を整理したうえで冷静な協議を行うことで遺産分割協議がスムーズにまとまることがあります。
また、相続人同士の話し合いで解決しない場合には、調停・審判といった裁判にまで発展するケースもありますが、裁判手続を利用する場合には、法律の専門家たる弁護士に相談することをお勧めします。
⑵ 相続人間で感情的な対立が生じるケース
遺産分割協議をしようと思っても他の相続人と対立が生じてしまって、遺産分割協議が纏まらないケースもあります。
遺産分割協議は、血を分けた相続人同士が、被相続人の遺産を分けるというものであるので、相続人間の関係や遺産の内容によっては、相続人が感情的になって、話し合いが長期化する場合があります。
このようなときには、弁護士が代理人として入ることで、他の相続人との遺産分割交渉がスムーズに進む場合があります。
また、どうしても任意での交渉がまとまらない場合には、調停や審判といった裁判手続を行うことがあり得ますが、弁護士であれば、そういった裁判手続にも対応することが出来ます。
また、早期に弁護士に依頼することで裁判手続の見通しについて、適切なアドバイスを受けることができます。
相続についてのご相談を早めに弁護士にすることによって、トラブルの発生・悪化を未然に防ぎながら、相続手続を進められる場合があります。
相続について少しでもお悩みが生じた場合には弁護士に一度ご相談することをお勧めします。
相続を依頼する場合の専門家の選び方
1 相続事件の経験が豊富な専門家
相続の分野は、遺産分割や遺留分等の権利義務について定めた実体法で規律された分野と、相続税や譲渡所得税等の資産税法、実際の調停や審判、税務署や法務局、金融機関や不動産仲介の運用等の実務上のノウハウ等が、様々なものが複雑に絡み合っている分野です。
そのため、依頼する専門家も様々なのですが、相続について専門家に依頼する場合、どのような専門家を選んだ方がよいのかについて以下でご紹介していきます。
まずは、上記の各分野に広く深く精通している専門家か、それぞれの分野に精通している複数の専門家に依頼することが大切です。
専門家といえども、取り扱っていない分野に関しては知識が不足していたり、把握しきれていないことがあったりする可能性があり、処理の遅れや誤った対応につながりかねません。
専門家だから誰でもよいというわけではなく、相続の取扱経験が豊富かどうかを見極めて依頼するのがよいかと思います。
2 やり取りがスムーズでコミュニケーションが取りやすい専門家
例えば、実際に専門家の話を聞いてご自身が何か質問をしたときに、分かりやすく説明してくれる専門家を選ぶことがおすすめです。
相続に詳しい専門家であっても、相談がしづらかったり、あまり詳しく説明をしてくれなかったりすると、お悩みの解決に向けてのスムーズな進行は期待できません。
お客様のご意向を聴き、打合せを繰り返しながら一緒になって相続の手続等を進めていくわけですので、コミュニケーションが取りやすい専門家を選ぶのがよいと思います。
3 別の士業・専門家との深いつながりや複数の資格がある専門家
上述したとおり、相続は様々な法律、実務慣行が複雑に絡み合っている分野ですので、単独の専門家だけでは解決できず、複数の専門家が連携して解決することが必要なケースも多くあります。
そのため、スムーズに解決するためにも、各分野の専門家とつながりが深い専門家や、複数の資格を持っている専門家に依頼することをおすすめします。
例えば、相続税が関係してくる紛争事件であれば、弁護士と税理士の両方の資格を持っている弁護士など、両方の分野に精通している専門家に依頼するか、専門家同士の連携が取れている事務所を選ぶと、よりスムーズに進められるかと思います。
4 専門家に相談するタイミングも重要
ここまで、どのような専門家を選ぶべきかについてご説明してきましたが、専門家選びとあわせて重要なのは、可能な限り早いタイミングで専門家に相談をすることです。
相続では時効や期限が多くありますが、早いタイミングで相談をしておけば、相談時にすでに手遅れであったということも起こりにくいかと思います。
早いタイミングであれば、解決に向けての選択肢も増えるかと思いますので、相続について依頼する専門家をお探しの方は、できるだけお早めに相談されることをおすすめします。