紛争処理機構と紛争処理センターの違い
1 何が違うのか
紛争処理機構と紛争処理センターは、対象となる紛争が異なります。
紛争処理機構は、自賠責保険の支払いに関する紛争が対象となるのに対し、紛争処理センターは、任意保険の支払いに関する紛争が対象となります。
以下、具体的な違いについて、ご説明いたします。
2 紛争処理機構とは
紛争処理機構とは、自賠責保険の保険金等の支払に関する紛争を中立・公正な判断により解決することを目的とした、自賠法23条の5の規定に基づいて設立された民間による裁判外紛争処理機関です。
自賠責保険の認定に不服がある場合、紛争処理機構に申立てを行うことができます。
例えば、過失の有無、被害者の重大な過失による減額がある場合の過失割合、事故と損害との因果関係、後遺障害等級認定、休業損害など、個々の損害の認定額について、紛争処理機構に審査を求めることができます。
紛争処理機構の行った判断には、自賠責保険は拘束されます。
ただし、紛争処理機構への申立ては1回しか行うことができません。
紛争処理機構の判断に不服がある場合には、あとは訴訟で争うことになります。
3 紛争処理センターとは
紛争処理センターとは、加害者側の任意保険会社との示談を巡る紛争を解決するため設置された、民間による裁判外紛争処理機関です。
対象となる紛争は、自動車事故、バイク事故による対人・対物損害賠償に関する被害者と加害者側任意保険会社の紛争です。
そのため、自転車の対歩行者・対自転車事故による損害賠償に関する紛争、搭乗者傷害保険や人身傷害保険など、自分が契約している任意保険会社との保険金に関する紛争は、対象外となります。