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弁護士法人心 横浜法律事務所

交通事故における過失割合

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2023年3月20日

1 過失割合とは

過失割合とは、交通事故が発生した責任について、どの当事者にどれだけ過失があるかの割合のことです。

交通事故により発生した損害をどれだけ賠償するべきかは、過失割合を考慮して決められます。

過失割合は、通常0対10、1対9などと定められますが、物損については、中には特殊な例として0対9などとされることがあります。

過失割合は、本来すべての事故で考慮されるものですが、中には、自損自弁(自分の修理費を自分で払う)とする場合など、厳密には考慮されないこともあります。

2 過失割合の決め方

過失割合は、当事者同士の話合いで決めます。

当事者同士の話合いで決まらない場合には、裁判所などの第三者に判断を委ねることになる場合もあります。

過失割合を決める際に参考にされることが多いのは、別冊判例タイムズという本です。

別冊判例タイムズには、典型的な事故態様とその事故態様についての基本的過失割合、基本的過失割合の修正要素が記載されています。

その記載に基づいて、基本的過失割合の決定とその修正を行い、最終的な過失割合を決めていくことが多いです。

「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(「赤い本」と呼ばれます)」にも、事故態様に応じた基本的過失割合とその修正要素が記載されています。

別冊判例タイムズの記載と「赤い本」の記載は、必ずしも同じではないので、「赤い本」の記載を参考にすることもあります。

ただ、ほとんどの場合、別冊判例タイムズが参考にされています。

しかし、典型的ではない事故態様の場合、別冊判例タイムズの記載では判断できないということもあります。

その場合には、類似する過去の裁判例での判断を参考にして、過失割合を決めていくことが多いです。

そのような場合はそれほど多くはありませんが、一定数過去の裁判例を参考にしなければならないことがあります。

過去の裁判例を参考にする場合、そもそも参考にする裁判例をどれにするかという点が争いになることもあり、比較的争いになりやすい事故であるといえます。

3 道路交通法違反と過失

誤解されている方が多いように感じますが、必ずしも道路交通法違反行為があったからといって、過失があるとされるわけではありません。

ですので、道路交通法違反の主張は、過失の主張としては十分ではないこともあります。

道路交通法違反の主張と、過失の主張は、それぞれ異なるものだということは意識しておく必要があります。

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