高次脳機能障害で寝たきりになった場合

高次脳機能障害で寝たきりになってしまったら、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」に該当し、後遺障害１級１号が認定される可能性があります。

後遺障害１級１号が認定されると、自賠責保険会社から４０００万円（上限）が支払われます。

ただし、高次脳機能障害の後遺障害等級は、重症から軽症まで１級・２級・３級・５級・７級・９級に分かれているため、後遺障害を申請する際、交通事故によって高次脳機能障害が残り、寝たきりになって常に介護を要する状態であることを裏付ける資料を提出しないと、１級１号が認定されないおそれがあります。

そこで、高次脳機能障害で寝たきりになってしまったら、まずは、高次脳機能障害に詳しい弁護士が後遺障害を申請して、１級１号を獲得することが重要です。

高次脳機能障害で寝たきりになってしまったら、治療費、入院雑費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料、逸失利益、後遺障害慰謝料の他、後遺障害の内容や程度、事故の前後の生活状況等に応じて、入院付添費、通院付添費、症状固定までの自宅付添費、将来介護費、介護施設関係費用、車椅子や電動ベッドの購入費、家屋や自動車の改造費、後見開始申立費用、将来分を含む後見人報酬等、さまざまな損害が発生し、加害者側の保険会社から、それらの損害賠償金が支払われる可能性があります。

高次脳機能障害で寝たきりになってしまうという重大な事態に直面した場合、被害者が置かれた個別・具体的な事情を踏まえた損害を漏れなく積み上げて、賠償金を請求しなければなりませんので、弁護士への委任をおすすめします。

重度の高次脳機能障害により認知能力や判断能力が失われると、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」（自分の財産を管理・処分できない程度に判断能力が欠けている状態）になってしまうこともあります。

このような状態になると、被害者は、事故の加害者側と交通事故の賠償金について示談することができず、賠償金を受け取ることができません。

そこで、裁判所に後見開始の申立てをして、裁判所に後見人を選任してもらう必要があります。

弁護士法人心は、高次脳機能障害で寝たきりになってしまった被害者のために、後見開始の申立て手続きも行っています。