むちうちにおける後遺障害と逸失利益
1 むちうちにおける後遺障害の認定
交通事故によってむちうちとなってしまい、その後病院において怪我の治療で半年以上定期的に通院を続けたにもかかわらず、症状が残存してしまった場合には、後遺障害としての認定申請を行うことができます。
後遺障害の等級認定は、最も低い14級の認定であってもかなりハードルが高いものになりますが、認定を受けることができた場合には、後遺障害等級に応じた自賠責保険金が支払われます。
これに加えて、相手方保険会社に対して、認定された後遺障害等級に応じた「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」を請求することができます。
ここではむちうちの後遺障害の逸失利益についてご説明させていただきます。
2 後遺障害の逸失利益
後遺障害の逸失利益は、後遺障害が残存してしまったことによって今後の仕事や日常生活に影響が出てしまうことについての補償です。
後遺障害の逸失利益は次の計算式によって計算がされます。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
基礎収入は、原則として、事故前年度の現実の年収になります。
労働能力喪失率は、後遺障害等級ごとに参考となる労働能力喪失率が定まっていますので、その数値が採用されることが多いです。
労働能力喪失期間は、基本的には67歳までの年数ですが、むちうちの場合は14級9号については5年程度、12級13号については10年程度に制限する考え方が裁判所では一般的です。
労働能力喪失期間の年数をそのまま掛け算するのではなく、将来の賠償を現在の価値に引き直すためにライプニッツ係数というものを用いることになります。
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