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弁護士法人心 横浜法律事務所

公正証書遺言とはどのような遺言ですか?

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2024年8月30日

1 遺言書の種類

遺言書には大きく分けて、①公正証書遺言と②自筆証書遺言の2種類があります。

公正証書遺言とは、公証人の前で作成する遺言書のことを指します。

自筆証書遺言とは、公証人の前で遺言書を作成するのではなく、自身の手書きで作成する遺言書のことです。

以下、公正証書遺言のメリット、デメリットについて自筆証書遺言との比較で解説していこうと思います。

2 メリット

⑴ 相続発生時に検認が不要となる

通常、自筆証書遺言の場合には、被相続人が亡くなった後、遅滞なく家庭裁判所に対して検認の申立てを行わなくてはなりません。

この検認手続きは、自筆証書遺言の内容を家庭裁判所において確認する手続きであり、相続人に負担が発生します。

この検認手続きを行わない限り、自筆証書遺言に基づいて相続登記や預貯金口座の解約等の相続手続きを行うことはできません。

これに対して、公正証書遺言の場合には、このような検認手続きを行うことなく、公正証書遺言書を提出するだけで、相続登記や解約手続きを行う事ができるため、相続人への負担が少ないといえるでしょう。

⑵ 無効とされるリスクが低い

自筆証書遺言は本当に遺言者が書いたのかという点について、第三者が確認を行っていないため、無効とされるリスクが公正証書遺言と比較して高いといえます。

また、自筆証書遺言が有効とされるためには、日付や氏名を記載し押印することが必要であったり、遺産目録以外の全文を自署する必要があったりするため、これらの要件を全て満たしていない遺言書は無効とされてしまう可能性があります。

これに対して、公正証書遺言は、文案を裁判官や検察官のOBである公証人が作成するため、無効とされるリスクが比較的低いといえます。

⑶ 公証役場のデータベースにデータが保存される

自筆証書遺言は1通しか作成されないため、滅失してしまった場合には復元ができませんが、公正証書遺言は、副本等を手渡されるほか、公証役場のデータベースで管理されるため、完全に滅失することは原則ないといえるでしょう。

また、被相続人の死亡後であれば、相続人は被相続人の遺言書を公証役場で確認できるようになるため、この点でもメリットがあるといえるでしょう。

3 デメリット

⑴ 作成費用がかかる

自筆証書遺言は、自身で作成すれば、作成手数料が原則無料です。

これに対して、公正証書遺言は、専門家の報酬で15~20万円程度、公証役場への作成手数料で5~7万円程度の金銭がかかるため、この点はデメリットといえるでしょう。

⑵ 作成までに日数がかかる

公正証書遺言は、作成をするまでに1~2か月程度の時間が必要となりますので、この点でも自筆証書遺言と比較してデメリットがあるといえるでしょう。

⑶ 死亡した時に、相続人に知らせる手段がない

自筆証書遺言では、法務局に預けることで、被相続人が亡くなった際に、任意の相続人1人に対して、被相続人の死亡の事実と遺言書が保管されている事実を通知することができます。

これに対して、公正証書遺言では、これらのシステムは用意されていないため、この点でデメリットがあるといえるでしょう。

ただ、公正証書遺言を作成した後、同様の内容の自筆証書遺言を作成し、法務局に保管することでこのデメリットを回避することができるという方法もありますので、ご検討されるのはいかがでしょうか。

4 当法人にご相談ください

このように、公正証書遺言は様々な性質があります。

当法人では、遺言作成の案件も数多く扱っておりますので、少しでもお悩みがある場合には、お気軽にお問い合わせください。

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