債権者集会に関するQ&A
どのような集会なのですか?
債権者集会は、自己破産をするに至った経緯や債権者側に必要な手続き等の説明を行い、債権者へ意見を聴くために開かれる集会です。
自己破産と聞くと、多重債務等に陥った方が借金の支払いから解放されるための手続きという、破産をする側から見た手続きのイメージを持たれる方が多いかもしれません。
一方、債権者(貸主)の側からすると、自己破産が認められることによって、貸主は申立人(借主)からの返済をしてもらえなくなるわけですから、金額にもよりますが、大きな不利益となる可能性があります。
そのため、自己破産を認めるにあたっては、債権者が意見を主張できる機会等が十分に保障されなければなりません。
その保障の一環としてあるのが、債権者集会です。
どのような場合に行われますか?
前提として、債権者集会は、「管財事件」の場合に行われる手続きとされています。
自己破産を申し立てた後、裁判所で内容を精査し、管財事件とするか否かの振り分けが行われます。
管財事件にならなかったものは「同時廃止事件」とされ、手続開始の決定と同時に手続廃止の決定が出されることになります。
厳密には免責審尋の期日などがあるため、手続きそのものがその時点で終わるわけではないのですが、同時廃止の場合には破産管財人による申立人の財産調査等は行われず、債権者集会も開かれません。
対して、破産管財事件に振り分けられると、破産管財人という、裁判所から選任された弁護士が、申立人が所有している財産調査等を行います。
また、数か月程度先に債権者集会の期日が定められます。
その期日には、裁判官、破産管財人、申立人、申立代理人が出席した上で、任意で債権者が出席し、破産管財人から状況等の説明が行われます。
債権者集会ではどのような形で、何が行われるのですか?
債権者集会においては、申立人の財産や破産に至る経緯等についての財産状況報告(破産法31条1項2号)、破産手続廃止にあたっての意見聴取(217条1項)、管財人の任務終了時の計算報告(88条3項)等があります。
実務上、大半のケースでは、これらはまとめて一度の期日で行われるものとなっています。
また、多くの貸金業者については、債権者集会には参加してこないことが多く、特に個人の多重債務による自己破産等の場合には、債権者が1人もいない債権者集会というケースの方が実務上は数が多いといえます。
債権者が参加するのは、隠匿財産が疑われるような場合、知人等の個人債権者がいる場合、個人事業主の方の破産で取引先が債権者となっているような場合等が挙げられます。
同時廃止の場合、どのくらいの期間がかかりますか? 自己破産をすると学資保険はどうなりますか?